ぼくのふるさと
ぼくは長野県のさびれた街で生まれました。
駅にとても近くて便利な場所だったけど、あんまりいい思い出はないかなあ。
よく変なおじさんに声かけられたり連れていかれそうになったり、
「ぶらっと」とかいう温泉ではおしりまでさわられた。すれ違いざまにさりげなく。
ぼく男なのに。よく女と間違われるけど。はらたつな。
あとちょっと変わった人も多い。
ドレスアップしたおじさんやセーラー服着たおじさん。
ド派手なピンクのコートを着たお姉さん(ぼくの姉でした。とほほ。)
そんな感じの街だけど、ぼくはあんまり好きじゃない。
むしろ離れたくて仕方がなかった。
とても閉鎖的かつ排他的な部分が多かった。
具体的には説明つかない。もちろん例外もいっぱいあるしね。
周りにそびえ立つ山々の圧迫感のせいなのかな。とても狭苦しく、息苦しかった。
はたまた街のせいなのか、住民のせいなのか、家族のせいなのか、自分のせいなのか。
おそらく全部かな。
とにかく好きではなかったね。
とはいえ好きな所ももちろんある。
まず自然が多いところ。山で囲まれているからね。四季折々の景色もきれいだよ。
でも残念ながら海はない。ここはほんとに残念。
そしてもうひとつは静かなところ。
ほんとにしずか。まるで街そのものが死んでしまったかのように。
寂しささえかんじるよ。
ぼくのふるさと。